ランド・オブ・ジャイアンツ  McCoy Tyner  



  21世紀最初の作品は、ヴァイヴのボビー・ハッチャーソンを迎え、マッコイ・タイナーのオリジナルを中心に、新鮮なアレンジを加え、バラードから急速調の4ビートまでバラエティーに富んだマッコイ晩年の傑作。1960年代からたびたび共演してきた良きパートナーであり、マッコイのピアノとハッチャーソンのヴァイヴが絶妙に絡み合い味わい深い作品に仕上がっている。なお、〈フォー・オール・ウィー・ノウ〉は、ピアノ・ソロです。

1曲目〈セーハ・ド・マール〉は、大きな山間を爽やかな風が吹き抜けていくようなメロディーが流れる。ハッチャーソンのヴァイヴは流動感溢れるスリリングなソロ、マッコイはテンポよく躍動的に弾きまくり、魅力のテーマへ戻っていく。



2曲目〈ディセンバー〉は、スロー・テンポのバラード。静かに心にしみいるようなメロディーに、ハッチャーソンのヴァイヴが美しい響きを奏でる。マッコイは優雅で美しい澄み切った演奏、ハッチャーソンは艶やかな歯切れのいいソロを展開している。
youtube.com/watch?v=RuSGsq-sCvI

3曲目〈ステッピン〉は、ベースのイントロから、ハッチャーソンが陽気なテーマを奏でる。速いテンポで繰り広げ、マッコイは疾走感溢れる強力なピアノ、ハッチャーソンのヴァイヴはスピード感に満ち溢れスウィングしまくっている。ドラムのエリック・ハーランドは激しく熱いソロと続いていく。



5曲目〈マネイリューカ〉は、マッコイ特有のリズムでテーマが流れる。ハッチャーソンは落ち着いた雰囲気の中、徐々にテンポが速くなり軽快なプレイを展開していく。マッコイのピアノはよく切れており、いい響きをもたらしている。モフェットのベースはハンドとアルコを交互に演奏を繰り広げている。
youtube.com/watch?v=A7XowulqkXY

7曲目〈フォー・オール・ウィー・ノウ〉は、30年代のスタンダード。華麗なタッチを交えながら力強く響きわたるピアノ、活力に満ちた演奏。
youtube.com/watch?v=WFHWh1l1vMI

8曲目〈ザ・サーチ〉は、ハーランドの激しいドラム、モフェットのウォーキング・ベースで始まるフリーっぽい曲。マッコイは高速ピアノを織り交ぜたプレイ、一方ハッチャーソンは淡々としたプレイ、続くモフェットのベースは超速弾きで繰り広げ、ハーランドの叩きまくりで終わっている。

9曲目〈コンテンプレーション〉は、マッコイの代表的な曲。ゆっくりしたテンポで、自己の目指す方向へ祈りをしているようなメロディー。マッコイは流麗なタッチと洗練されたピアノで独自の雰囲気を醸し出します。ハッチャーソンは優雅で柔らかいプレイを繰り広げている。
youtube.com/watch?v=bUGQQAFyHWI

10曲目〈イン・ア・メロウ・トーン〉は、デューク・エリントンの作曲。ピアノ・トリオで、愉快なメロディーを演奏。マッコイは4ビートのリズムに乗って、軽やかに力強い演奏、モフェットは濃厚なベース・プレイ、ドラムのハーランドはマッコイとの掛け合いプレイと続きます。
youtube.com/watch?v=BaaJPvwx4JQ

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 Recorded. December 10 and 11, 2002.
 Telarc.

 McCoy Tyner piano
 Bobby Hutcherson vibes
 Charnett Moffett bass
 Eric Harland drums

 1. Serra Do Mar  6:30
 2. December  4:45
 3. Steppin'  4:46
 4. If I Were a Bell  7:48
 5. Manalyuca  7:19
 6. Back By Blues  6:09
 7. For All We Know  4:31
 8. The Search  5:45
 9. Contemplation  6:11
 10. In a Mellow Tone  6:15